獣害対策
シカも思わず「シカめっ面」!? 踏圧防止×不嗜好性植物で、シカが好まない法面を作る!
金網でシカによる踏み荒らしや食害を防止する緑化基礎工と、 ロンタイオリジナルの不嗜好性植物播種工の組み合わせにより、シカ獣害対策の効果を最大限に発揮します!
2種類の金網を使い分け、踏み荒らしを抑制
ひし形金網を立体構造にした厚層金網「シカめっ面 ガード」と、20cmの高さで生育空間を確保する浮設金網「シカめっ面 ネット」で、物理的にシカの踏圧・食害を防ぎます。
Point
シカめっ面 ガード、シカめっ面 ネット共にメッキ加工を施しているため、亀甲金網等と比較して 耐食性に優れ、長期的な保護が期待 できます!
シカめっ面 ガード
シカめっ面 ネット
不嗜好性植物を用いて、長期的にシカが好まない法面緑化を実現
不嗜好性植物とは、シカが好んで食べない植物のことを指します。
忌避効果や独特の匂いを持つもの、棘や硬さのあるもの、そういったシカの食害を受けにくい植物を配合したロンタイオリジナルの「シカめっ面 配合」でシカが好まない法面を作ります。
Point
不嗜好性植物を配合することで、主体種子(主に外来牧草種)の緑化とは異なり、長期的かつ持続的に、シカが好まない法面緑化を成立させることが可能です!
ススキ
チカラシバ
シソ
クララ
現場状況に応じた工法選定が可能
シカ獣害対策を行うには、その現場のシカの生育分布・密度や、現場状況、生活圏やインフラへの影響等、様々な条件を考慮する必要があります。
最適な法面保護を行うため、ロンタイオリジナルのシカ獣害対策工法選定表を整備しました。緑化基礎工と不嗜好性植物播種工を組み合わせることで、多様なシチュエーションに対応可能です。
Point
状況に応じた工法選定により、シカ獣害対策効果を最大限に高めることができます!
獣害対策工 リスクアセスメント
| 計画 | P | 実地 ※参照 森林被害度調査診断指標例 ニホンジカ密度分布図 | P* |
|---|---|---|---|
| 生活圏への影響が大きい 生活道路や民家が近い、または落石などの恐れがあり、生活インフラへ直接被害を及ぼす可能性が高い。等 | 5 ポイント |
激甚:被害度4
下層植生:裸地か少数 土壌流出:土砂流出が激しい もしくは 分布図:橙~赤 生息密度:30頭/㎢以上 |
5 ポイント |
|
生活圏への影響は小さいが 法面を長期間保護する必要がある 法面が崩落したとき、砂防堰堤や林道・農道などの設備に影響を与え被害が肥大化する恐れがある。等 |
3 ポイント |
強:被害度3
下層植生:不嗜好性植物のみ 土壌流出:表面侵食のみ もしくは 分布図:黄~橙 生息密度:30頭/㎢未満 |
4 ポイント |
|
上記生活インフラに直接影響はないが 獣害対策が必要である 将来的な植生を見込み、転石や土砂流出の抑えが最低限必要である。等 |
2 ポイント |
中:被害度2
下層植生:不嗜好性植物が優占 土壌流出:少ない もしくは 分布図:緑~黄 生息密度:15頭/㎢未満 |
2 ポイント |
| 法面獣害対策の優先度は低い 従来の植生工を優先する。短期的な法面保護で良い、またはエ事用道路など将来的に法面を撤去する計画がある。等 | 1 ポイント |
低:被害度1
下層植生:食み痕程度 土壌流出:なし もしくは 分布図:青~緑 生息密度:5頭/㎢未満 |
1 ポイント |
計画ポイントと実地ポイントそれぞれ、いずれか一つを選択。重複する場合は、ポイントが大きい方を採用する。
計算式
計画ポイント【P】と実地ポイント【P*】を乗算し、選定ポイント【D】を算出する。
計画ポイント(P)
×
実地ポイント(P*)
=
選定ポイント(D)
工法選定表
工法選定表において、10~25ポイントはシカめっ面 ネットによる施工を推奨としますが、法面を抑える目的・予算の都合がある場合は、シカめっ面 ガードの採用を可能とする。
シカ獣害対策工法のバリエーション
選定ポイント:1~3
01シカめっ面 配合
【不嗜好性植物の生育】
植生工+不嗜好性配合
不嗜好性植物を配合した植生マットを施工しました。
低コストで緑化できます。
| 対応する食害の程度 | 頭数が少ない場合のみ対応 |
|---|---|
| 踏み荒らし対応 | 対応不可 |
| 金網耐食性 | なし |
| 施工性 | ○ |
注意点
選定ポイント4以上(シカの頭数が多い)現場では、食害や踏み荒らしの被害を受ける可能性があるため対応できません。
施工後4ヶ月
02亀甲金網付き植生マット
【軽微な踏み荒らし】
植生工(主体種子配合)+亀甲金網被覆
西洋芝を中心に配合し、亀甲金網を装着した植生マットを施工しました。
軽微な踏み荒らしを抑制します。
| 対応する食害の程度 | 頭数が少ない場合のみ対応 |
|---|---|
| 踏み荒らし対応 | 短期間対応 |
| 金網耐食性 | 1年未満 |
| 施工性 | ○ |
注意点
シカの往来が多い法面では、金網が早く破損し侵食に繋がる恐れがあります。また、導入植物の採食は容認するため、植物が早期に衰退する恐れがあります。
施工後4ヶ月
選定ポイント:4~5
03ひし形金網+植生マット
【踏み荒らし対策】
植生工(主体種子配合)+ひし形金網被覆
西洋芝を中心に配合した植生マットに、ひし形金網を併用しました。
踏み荒らしを抑制し、植生工の破損・滑落を防止します。
| 対応する食害の程度 | 頭数が少ない場合のみ対応 |
|---|---|
| 踏み荒らし対応 | 短期間対応 |
| 金網耐食性 | 1年未満 |
| 施工性 | △ |
注意点
踏み荒らしは防止できますが食害は防止できないため、選定ポイント6以上のとき植生工としての法面保護は期待できません。
施工後4ヶ月
選定ポイント:6~9
04シカめっ面 ガード+シカめっ面 配合
【不嗜好性植物の生育/食害対策/踏み荒らし対策】
植生工(不嗜好性配合)+厚みのある金網で被覆
不嗜好性植物を配合した植生マットに、厚層金網を併用しました。
植物の引き抜きによる枯死を少なくし、不嗜好性植物の成長を助けます。厚層金網による被覆で、中長期的な法面保護が可能です。
| 対応する食害の程度 | 草丈5~15cm残存 |
|---|---|
| 踏み荒らし対応 | 対応 |
| 金網耐食性 | 8~10年 |
| 施工性 | △ |
ポイント
立体的構造の金網のため、ひし形金網より施工性はやや落ちますが、 長期的な踏圧・食害の防止効果及び、金網による侵食防止効果が期待 できます。
施工後4ヶ月
生育状況接写
選定ポイント:10~25
05シカめっ面 ネット+シカめっ面 配合
【不嗜好性植物の生育/食害対策/侵入抑制】
植生工(不嗜好性配合)+金網を浮かせて設置
不嗜好性植物を配合した植生マットに、浮設金網を併用しました。
シカの往来と食害を抑制し、全面的な緑化を実現できます。
| 対応する食害の程度 | 草丈20cm残存 |
|---|---|
| 踏み荒らし対応 | 対応 |
| 金網耐食性 | 8~10年 |
| 施工性 | △ |
ポイント
金網を浮かせて設置することでシカの侵入を防ぎ、踏み荒らしや食害の防止に高い効果を発揮します。浮説金網の高さを超えた葉先は若干の食害が発生しますが、植物が根をしっかり張り法面を守ります。
法面上で台座を打設し、金網を浮かせて設置するため、工程はやや延びます。
施工後4ヶ月
生育状況接写
シカ獣害対策工法実施後の効果測定
通常の植生工であれば、施工後の評価は植被率で測定しますが、シカの生育する地域の場合は植被率のみを基準にすると将来的に植生が衰退し、二次災害のリスクがあります。
シカの生育地域で効果測定する際は、シカが好まない法面が造成されたか、または期待できる状態かどうかを基準に、判定する必要があります。
施工後4~6ヶ月後を目安に、以下のリストを用いて調査を行います。(山林の餌が無くなる秋季~冬季は法面における獣害が顕著になるため、施工時期や使用植物を考慮したうえで、調査時期を設定する必要があります)
シカ対策工法における
成績チェックリスト
シカ対策工法における成績判定
- 判定時期が秋期~冬期のとき、シカの行動周期により法面上の植生の状況が今後左右される可能性あり。不嗜好性植物の導入があったとしても、草丈が10cm未満の場合は導入種子が種を付けるまでの生長が期待しにくく、周辺植物の侵入が無い限り将来的に衰退する可能性があることから、判定保留とし、導入種子の生長の度合いと周辺植物の侵入の有無について再度調査する。
- 生育期とは、月平均気温おおむね15°C以上の期間を指す。
- 主体種子が10cm以上成長することで種を付けることが適期に可能となり、導入植物による長期的な緑化が期待できるが、長期的にシカの餌場になるとも言えるため、周辺の不嗜好性植物等が侵入し、シカが好まない法面の形成が期待できるのかを評価時に判定することが望ましい。
- 不嗜好性植物が10cm以上成長することで種を付けることが適期に可能となり、周辺植物の侵入がなくともシカが好まない法面の造成が期待できる。周辺の不嗜好性植物等が侵入すれば、よりシカが好まない法面の造成が可能。
- 一年草:シソ 多年草:チカラシバ・ススキ・クララなど。
シカ獣害対策 資材一覧
ロンケット スタッグ
[一般名称] シカ対策植生マット
シカの食害を受けにくい不嗜好性植物を配合し、シカが好まない緑地を作ります。
※写真はロンケット スタッグ 3型【標準品】です。
[標準品]
【備考】標準品、環境品ともにアンカーピン・止釘は別売りです。
[環境品]
[製品選定]
シカめっ面 ネット
[一般名称] 浮設金網
高さ20cmの台座に金網を浮かせて設置し、法面で生育する植物をシカの食害から保護します。
亜鉛メッキ加工を施した金網を使用しているため、錆に強く耐食性に優れています。
[製品規格]
シカめっ面 ネット
縦線と横線の目合いが広がりにくい構造のため、耐久性に優れています。
シカめっ面 F250/500
シカめっ面 ネットの下に設置し、ネットを浮かせます。
スーパーリールバンド
バンドの引張強度は890N。20年の耐久性を有しており、耐候性に優れています。
シカめっ面 ガード
[一般名称] 厚層金網
厚み5cmの金網を植生工の上から被覆し、踏み荒らしの防止と植物の生長点を守ります。
獣害対策を行わないと・・・
法面崩壊の原因となる恐れがあります。
シカが生息している地域の現場で獣害対策を行わないと、踏み荒らしや食害により表層侵食が抑えられず、植生マット本来の緑化機能が発揮できません。生育基盤が剥がれ落ち、そのまま法面が風化することで、二次災害を引き起こす可能性があります。
シカめっ面 ネットやシカめっ面 ガードでシカの食害や踏圧を防止し、さらに不嗜好性植物のシカめっ面 配合を利用した緑化を行うことで、シカが好まない法面「シカめっ面法面」を長期にわたって維持します。
初期施工でしっかり対策を取ることで、
一度の施工で法面の保護や緑化につなげることができます。
設計者様向けに、獣害対策の基本・考え方や事例を多数掲載したマニュアルも用意しておりますので、
獣害対策でお悩みの際は、お近くの支店・営業所にお気軽にご相談ください。
Contact
ロンタイでは地域ごとに支店・営業所がございます。
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